VOL 253|補修考
補修考 ≪八の巻≫ ~補修の商品力~
2010.05.30
今回は補修の商品力について考えてみます。
商品力とは商品としてお客さんに選んでもらえる魅力のことです。お客さんから見て魅力一杯なら商品力が強いということができます。
では、補修における商品力とはなんでしょう。例えば上手さやスピードは誰もが想像できるところでしょう。遅い上に下手ならお客さんが自分でやるのと変わりませんから当然です。
ふつうの補修より耐久性があったり、急に出た仕事でも緊急に対応してくれるのも魅力的です。
更に、誰も直せない様なキズを直せる希少性であったり、お客さんによっては大量な仕事に対応できる機動力を求められることもあるでしょう。
又、お客さんとのコミュニケーション力を備えた人も魅力的ですよね。もし、これらの魅力をすべて兼ね備えることができれば最強の補修屋になれるはずです。
しかし、実際にすべてを持ち合わせる事は無理なことです。
なぜか、それは料理店に例えるなら分かり易いかもしれません。おいしいイタリアンを食べさせる上に大量のカレーライスとラーメンを作れ、さらに京料理や中国の宮廷料理もできるような料理店があるかを考えれば分かるはずです。そんなことは現実的には無理なことです。
ですから各々の補修屋さんは自分の提供できる魅力をいくつか組み合わせて、その商品力をお客さんにアピールし、更に商品力をアップする努力をすることになります。でも、お客さんへのアピールを焦る余り、「何でも直せます」などと吹聴した挙句に返って信用を落としたりしていませんか?
来る球、来る球全部ホームランにはできません。あのイチローでも3~4割がいいところです。
自分の特性を踏まえた上で仕事を絞り込むことで、より熱心な自分のファンを増やすことができるのだと思います。
写真は昨日三河方面の現場の近くで撮ったものです。季節はまさに麦秋。
不順な天候でも季節は着実に移り変わります。
畑の実りに感謝して、泡の出る麦のエキスを今晩もおいしくいただきました。
補修考 ≪九の巻≫へ続く
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