VOL 227|補修考
補修考 ≪六の巻≫
2010.02.21先日ラジオ番組で取り上げられた『ニーバーの祈り』について一寸紹介してみたいと思います。
「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。
神よ、変えることのできないものについては、それを受け入れるだけの落ち着きを与えたまえ。
そして変えることができるものと、変えることのできないものとを見分ける知恵を与えたまえ。」
これはラインホールド・ニーヴァーというアメリカの神学者の祈りです。この祈りには様々な解釈が加えられているらしいのですが、この祈りを補修に当てはめるとどうでしょう。
色々な補修の現場を経験していると『手をつけた方がいいのか断った方がいいのか』迷う時があります。そんな時この祈りを思い出してみてはどうでしょう。
『変えられるもの』と『変えられないもの』つまり自分の腕で補修可能か不可能か見分ける知恵が最も大事だと思うのです。
この知恵とは言い替えると『経験』に置き換えることができるかもしれません。判断に迷う時、その意思決定の支えとなるのは、それまで失敗や成功を積み重ねてきたその人本人の経験しかないのだと思います。
もしも難しい補修にチャレンジすることもなく、今の技術で直せる仕事しかしなかったとしたら、そこで進歩は止まってしまいます。
しかし判断を誤り、自分の実力では収めることができない仕事に手をつけてしまうと悲惨です。自分の信用がなくなるばかりかお客さんに多大な迷惑をかけることになります。
だから自分の為にもお客さんの為にも『知恵=経験』が必要なのです。そして、勇気と落ち着きを持って一歩一歩技術の階段を上ろうと考えています。
補修考 ≪七の巻≫へ続く
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